Better Angels of Our Nature
2020年 06月 17日
最近、非常にスカッとしたのは、前国防長官のジェームズ・マティスがハッキリとトランプを批判したことです。
その全文はこの記事です。
最後の方で、マティスは私たちが団結していくのにリンカーンの就任演説の最後で使われた”Better Angels of Our Nature"を忘れないようにといっています。
At the same time, we must remember Lincoln’s “better angels,” and listen to them, as we work to unite.
リンカーンの就任演説の最後の箇所です。
…We are not enemies, but friends. We must not be enemies. Though passion may have strained it must not break our bonds of affection. The mystic chords of memory, stretching from every battlefield and patriot grave to every living heart and hearthstone all over this broad land, will yet swell the chorus of the Union, when again touched, as surely they will be, by the better angels of our nature
「高木八束・斉藤光訳『リンカーン演説集』1957 岩波新書 p.107」
リンカーンの就任演説は、南北に分裂していきつつあるアメリカが再び団結していくようにとの思いを込めたものです。マティスがこのリンカーンの”Better Angels of Our Nature"を用いたのも、分裂しつつあるアメリカが団結していけるようにとの思いだと思います。
このよりよい天使というのは、やはり誤訳だと思います。勿論、angelsという言葉を使っていますが。このスピーチを手伝ったのは、ウイリアム・スチュワートという人で、最初は、"the guardian angel of the nation"(国家の守護神とでも言いましょうか)だったようです。それをリンカーンは、個人の本性というレベルに持って行ったのです。
一人一人の国民の心にあるbetter angelsとworse angels。better angelsというのは、理性、慈悲、とか言ったものだと思います。そういったものを国民一人一人が引き出して、国家が団結していくということでしょうか?誰かが(守護神)が導いてくれるというものではないのです。もっと、能動的なことだと思います。
ずっと前から読もうと思っていたSteven PinkerのThe Better Angels of Our Natureが届きました。もっと、このことを考えていきたいと思います。
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by indigo-gal
| 2020-06-17 00:47
| アメリカの生活
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